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ニイガタビト

ローカルの方が、やりたいことができる!

2017.06.28 掲載

WEBデザイナー・三条楽音祭実行委員長

大橋 賢太さん

燕市在住

ハンドメイド作家・三条楽音祭実行委員

大橋 泉さん

燕市在住

大橋賢太さん1983年燕市生まれ。大学進学を機に上京。バンド活動をする中でWEBサイト制作に携わりWEBデザイナーの道へ転身。
妻・泉さん1981年鹿児島県生まれ。大阪の大学を卒業後、ワーキング・ホリデー制度を利用しオーストラリアに滞在。帰国後は関東で、英語力を活かし英文事務の仕事に携わる。
2006年にバイト先で出会った2人は、都会での仕事中心の生活に疑問を持ち、いずれは「田舎でゆっくりと子育てをしたい」と考えていた。2015年5月に賢太さんの地元・燕市にUターン。人づてで見つけた1,200坪という広大な庭のある貸家で、家庭菜園を楽しみながら、仲間たちとゆったりとした生活を始めた。

選択肢の豊富さから就職は首都圏へ

賢太さん:大学進学の時、音楽が好きでプロモーションビデオやミュージックビデオをつくる仕事に就きたいと、映画学科に進学しました。ただ、映像制作の裏側を知り「自分には向いていない」と思い大学を中退。その後は音楽活動をしていたのですが、自分のバンドのWEBサイトを制作したことをきっかけにWEBデザイナーを志しました。2007年に一度燕市の実家に戻り専門学校でWEBデザインを勉強。最初は地元で就職してもよいと思っていたのですが、就職先を探すと求人の数はもちろんですが、圧倒的に東京のほうが待遇が良い。給与はもちろん、最先端の取り組みもしているし「まずは修行」と思い、首都圏で就職しました。

泉さん:大学卒業後に「海外で生活してみたい」という夢があったので、1年間オーストラリアに滞在しました。帰国後、オーストラリアで知り合った友人の誘いで関東へ。英語のスキルがあったので英文事務をしていました。夫が燕市に戻った際は、一緒に新潟へ。夫が専門学校に通っている間は県央エリアのメーカーで英文事務の仕事を。2010年に関東に戻ってからは、国の教育機関で研究者の秘書業務をしました。

都会暮らしでおぼえた「違和感」

泉さん:もともと、田舎暮らしへの憧れはありました。2010年に結婚してから、「もし子どもができたら田舎でのびのび育てたいよね」と2人で話をしていました。都会では、待機児童問題や、保育園の料金など、共働きで子どもを育てるにはお金がかかりすぎるし、すごく大変そう。親も近くに住んでいない都会で2人だけで子育てするのは現実的に難しいと思いました。自然豊かな広々としたところで、いつか田舎で犬を飼って、畑をしながら子育てをしたいと考えていました。

賢太さん:新潟に比べ首都圏の方が仕事の待遇が圧倒的に良かった。最初はありがたいなと思っていましたが、働き始めると都会の家賃の高さと、給与のアンバランスさが気になるようになりました。「給料の何パーセントが家賃なんだ…」「家賃を引けば田舎と変わらないかも?」などと考えると、少しバカバカしくなった。首都圏は給料が高いから全国から若い人たちが集まってくるけれど、でも結局は高い家賃を払うために頑張って働いて、働いて、働いて。そうして、仕事一辺倒になってしまって、うつ病や自殺する若い人もたくさんいる。そういうものに疑問を持つようになりました。また、2011年の東日本大震災で、東京一極集中の怖さや、電力の問題、食の安全性の問題などに直面したことも、「Uターンしたい」という気持ちの後押しになりました。

泉さん:残業や満員電車、なにかあると「仕事に影響が出る」と皆が心配するような仕事中心の生活、仕事中心の社会に違和感をおぼえていました。私は馴染めないなと思いました。若いうちは良いのかもしれないけれど。


賢太さん:そういう暮らし方も30歳くらいまでの修行と割り切れば良いかもしれないけど。私は、WEBデザイナーとしてサラリーマンで4年、フリーランスで1年経験を積み、いろいろなスキルを身に着けました。2015年5月に燕市にUターン。最初は燕市の問屋に就職し、1年間WEB担当として勤務。2016年からは新潟市内のメディア系企業に転職しました。今では、東京でバリバリ働くという東京一極集中の選択肢だけでなく、地元の産業を元気にして、地域に残る人が増えて欲しいと思っています。

「家探し」はつながりから

賢太さん:畑をして、犬と一緒に暮らしたいと思っていたので一戸建てを探しました。最初は、中古物件の購入を予定していて、空き家バンクや不動産屋で物件を探し、週末に新潟に来て何件も見学。ただ、紹介された物件は、建物が傷み過ぎていたり、条件が合わなかったり。なかなか良い家に巡り会えませんでした。

泉さん:関東では不動産を一度購入しても、中古市場がしっかりあるので、手放す時に売れるんです。実際、私たちも関東に住んでいるときには中古のマンションを購入して住んでいました。Uターンの際には「これが売れなきゃ帰れないぞ」と心配していたのですが、すんなりと売れました。けれど、地方で不動産を買っても、手放したくなった時に売れない可能性も高いと聞きます。身軽になれないのは、我が家にとってはリスクにもなるかなと考え、途中から貸家探しに切り替えました。

賢太さん:地方には空き家は多いのですが、なかなか一般の不動産市場には出回っていません。ですが、人づてに聞いて回ることで、いい物件に出会えることもあります。今の家も、母の仕事先に来たお客様の知り合いのつてで借りることができました。「この辺りで家を探しているんだけど…」と地元の人に相談できれば、見ず知らずの人でも地元のネットワークを使って探してくれるんです。友人の家も住みたいと思っていた地域の居酒屋で相談して見つけましたよ。都会は何でも買えますが、田舎はつながりからいろいろなものを手に入れることができます。

泉さん:この家は5LDKで5万6千円。敷地は庭付きで約4,000平方メートル。市場から見たら格安。家庭菜園をしたり、念願だった犬との暮らしも実現しました。広大な庭は大きなドックランにもなっています。家を借りる時に「みんなの家」というテーマを掲げていて、私たち夫婦だけでなく色んな人が自由に来ていい家になれば良いなと思っています。友達とバーベキューをしたり、海外から来た旅行客を泊めたり。開かれた家にしていきたいです。

ローカルに遊び場をつくる!三条楽音祭

賢太さん:地方に若者が残ってもらうには、仕事づくりはもちろんですが、「遊び場」も生み出さなければいけないと思います。2009年から関わり、2016年から実行委員長を務める無料野外音楽イベント「三条楽音祭(らくおんさい)」はそのひとつ。仕事より大切な場かもしれません。ローカルのことを観光客や住んでいる人みんなに知ってほしいという想いで取り組んでいますが、「遊び場を作り出している。DIYしている」という感覚があります。イベント運営が、自分の成長を試す場でもあり、身につけたスキルの実践の場。さらには、スタッフを集めて、皆でイベントをつくりあげることで、つながりが生まれ、仲間ができる機会でもあります。

泉さん:私も会計などで関わっていますが、地方の方がすごく自由にやりたいことができる場だという印象です。東京でイベントをやるとなるとすごく規制がありますが、こっちでは「ここを、お前たちの好きにつかっていいよ」と言われます。そんな場所は都会にはない。ゆるさと自由さに驚きました。イベントを作り上げるまではプレッシャーもあるけれど、みんなで作り上げるのがとても楽しいです。

賢太さん:イベント運営はみんなボランティアなので関われる時間や、スキルもバラバラ。プライベートを使ってやるボランティアは、仕事より難しいと感じますが、楽しんでやっています。三条楽音祭は、2017年で9年目。昨年は3,300人ものお客さんが集まりました。地元産業を盛り上げたいので、地域の特産物をPRできるようなブースも新たに設けたいと考えています。また、フェス文化とちょっと遠い20代の若い世代を巻き込んでいくために、どんな工夫をしていけるかが課題です。

三条楽音祭へのリンク

都会と田舎の暮らしの違い

泉さん:燕市に来て新鮮だったのは地域の人とのやりとりの多さです。関東にいた頃は、ご近所さんと会って何かすることなんてほとんどなかった。でも、こちらは回覧板を持ってきてくれたり、地域の集まりに顔を出したり。地域の運動会にも参加させてもらいました。畑も、2軒隣の方が得意だったので、道具を借りながら教えてもらってやっています。助けてくれる人たちが周りにたくさんいるのがうれしいです。

賢太さん:「田舎はいそがしい」と聞いてはいたのですが、本当にいそがしかった!でも、首都圏で働いていた時のような「消耗する」忙しさじゃない。「やりたいこと」「やらなきゃいけないこと」がすごく多くなりました。東京は欲しいものがあれば、何でも買える場所だと思います。東京には遊び場はたくさんあって、いろんな世界に触れられるけれど、どれもショーケースとしてつくられたもののような印象もあります。でも、田舎は遊び場そのものを自分たちで自由に作り出せる。やりたいことが実現できる可能性は田舎の方がすごくあると感じています。

泉さん:都会では仕事中心の人が多い気がしますが、こちらは、仕事だけでなく、地域のことも、遊びのことも、やることがいっぱい。仕事は生活のためにもちろん大切ですけど、「仕事で稼いだお金で何をするのか?」を考えます。仲間と遊ぶこと、仲間とシェアすることに使いたい。人とつながったり、楽しんだり。それが自然と地域活性化につながっていけばと思います。

仲間と楽しく作り上げるこれからの暮らし

賢太さん:稼いだお金は、自分の生活はもちろんですが、地域のため、つながりのためにどう使うかを考えたいです。例えば自分で自動車を買うために貯めていたお金があったとして、「でも、今このイベントに30万円必要なんだ…」となれば、多分イベントに寄付する。そうやって地域を盛り上げていきたい。個人的にローカルをもっと深く知ってもらいたいと、ディープにローカルを紹介する「エチゴノート」というWEBサイトを立ち上げました。私たちのような趣味を持っている人たちが楽しめるここでの暮らしを情報発信して、地域を盛り上げていきたいです。

泉さん:Uターン前に思い描いていた、一軒家があって、畑をやって、犬といろんな仲間と楽しみながら暮らすということはできていると思います。あとは、子どもも欲しいですね。こちらに来てから、周りで手伝ってくれる人がたくさんできました。子どもができても、夫婦だけでなく、友達や地域の人達や色んな人と一緒になって子育てできるんじゃないかと思います。最近、手作り好きが高じてはじめた雑貨を販売する、WEBショップをオープンしました。天然石など使ったハンドメイドアクセサリーや雑貨、素材を販売してく予定です。他にも、旅人の受け入れや移住相談など、これからやりたいことは尽きません。そのうち、どれくらい実現できるのか、楽しみですね。

賢太さん:古民家を活用して、国内ワーキング・ホリデーのような企画もできると面白いですね。アイデアはたくさんですが、人とのつながりを楽しみながら、やりたいことを一つずつ実現させていきたいです。巻き込んで、巻き込まれて、みんなで一緒に遊びたい。それが「遊び場」をつくることにつながっていくと思います。

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