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ニイガタビト

日々を重ねていけば、きっと実を結ぶときがくる

2017.01.11 掲載

和紙職人(見習い)

宮崎由美子さん

長岡市小国町勤務

 柏崎市与板集落出身。高校卒業後、東京の日本工学院専門学校演劇スタッフ科に進学し、舞台照明や美術を学ぶ。卒業後は神奈川県・千葉県で暮らし、役者を目指しながらアルバイトする日々を送る。働きながらも自主的に演劇の勉強を続けていたが、体調を崩したことがきっかけで今までの働き方を見直し、ヨガインストラクターの資格を学び始める。上京してからもUターンを考えていたことと、父が病に倒れたことで柏崎に帰ることを決意し、地域おこし協力隊員として2013年9月にUターン。2016年8月に隊員としての任期を終え、現在は和紙職人を目指し、小国和紙生産組合で修行中。

両親を説得した東京暮らし

 子どもの頃、学芸会で役を演じるのが好きでした。ずっと役者になりたいと憧れていたけれど、高校で進路を選ぶときに「役者を目指したい」と言い切ることができず…。それでも役者に携わる仕事に就きたいと思い、舞台裏方を学べる専門学校に進学しました。東京の学校を選んだのは、「新潟から離れたかった」ことと、「役者関連の仕事をするなら上京したい」と思ったことが大きな理由です。しかし、新聞配達で生活費を稼ぎ、学校に通うという決断を両親は反対しました。
 両親をなんとか説得し、暮らし始めた東京での日々は、田舎とのギャップに驚くばかりでした。満員電車に乗るのもひと苦労、それに加えて早朝の新聞配達が本当に辛かったです。それでもなんとかこなしていくと、アルバイト先で新潟出身の人と地元トークをする楽しみも見つかって、東京での暮らしもいいように思えてきました。県外で新潟県人に出会うと、なぜか親近感が湧いてきます。そういう話をしていると懐かしく感じて、「帰りたい」と思うこともよくありました。

自分のやりたいことをやり抜きたい

 実家へ帰省するたびにUターンを意識しつつも、30歳までは自分のやりたいことをやり抜きたいと思い、卒業後は裏方仕事に就くのではなく、役者に挑戦することを決意しました。姉と同居するため、神奈川県に引っ越し、アルバイトと役者の勉強を続ける日々。ようやく2010年に舞台エキストラに合格し、憧れの舞台に立つことができましたが、働きながら面接や勉強を続けるのは体力的にも金銭的にもきつく、将来への不安も募っていきました。
 また、体調も崩しがちになっていて、もっと自分の体調管理ができる仕事を探そうと思った時期でもありました。当時都心ではヨガが流行っており、体調を自ら整えられること、ある種「演じる」仕事であること、Uターンしても何かの役に立つかもしれないという点に興味を持ち、整体クリニックで働きながらヨガの勉強をしていましたが、インストラクター育成スクールに通うために退職することにしました。
 アルバイトをしながらスクールに通う私の姿を見かねて、両親、特に父からは「ふらふらしているなら早く帰ってきなさい!」と怒られましたが、私はそれに何度も反発し、結局帰らずに勉強を続けていました。

「いつかは」が現実になる時

 30歳まではと思っていましたが、実際その年齢に近づいてくると「あともう少しここにいたい」と思うようになっていきました。それはきっと役者になる夢を諦めきれないことや、都会の楽しさを知ったからなのかもしれません。しかし、父が病に倒れたとの連絡がきて、「いつかは」が現実になる時が、唐突にやってきました。
 父とは、ヨガスクールに通うことを報告した時に衝突したきりで、それが最後の会話になってしまいました。その時は「帰らない」と思っていましたが、宣告を受けて1年半もしないうちに父が亡くなり、完全に吹っ切れたわけではありませんでしたが、自分なりに夢にケリをつけ、「柏崎に帰ろう」と決意しました。
 ただ、仕事を見つけてからでなければ帰れないと思い、父の連絡を受けた時から本格的に柏崎での仕事探しを始めました。「柏崎 求人」ワードでネット検索していましたが、なかなか心惹かれる職種がなく、そんな時、柏崎市門出・田代集落の地域おこし協力隊の募集を見つけ、「これだ!」と思いました。
 この時に初めて地域おこし協力隊の存在を知ったので、他県で活動する先輩隊員の記事を参考に思いを巡らせました。隊員の仕事は人によって様々で、環境も条件も異なります。また、集落からの要望がどのようなものなのか掴めないという不安もありましたが、以前から両親とよく高柳町に訪れていたので、門出・田代集落のことは知っており、高柳町で盛んな農業にも携わってみたい、ヨガの経験も集落の皆さんの健康づくりに役立つのではないかと思ったのです。

励みになった応援してくれる声と笑顔

 協力隊員としてUターンしたのは2013年9月。そこから3年間柏崎市門出・田代集落を担当し、2016年8月に任期を終えました。 
 隊員として活動していた時、集落の求めていた人物像と自分は少し異なっているのかもしれないと不安に感じることもありました。けれど、活動を続けていく中で、集落の人たちとの関係性を少しずつ築くことができ、応援してくださる声や笑顔がとても励みになりました。葛藤しながらも任期満了まで続けていくことができたのは、活動の中で出会ったこうした人たちの存在があったからです。
 「門出かやぶきの里」でヨガイベントを企画した時、どうしたら実現できるのかわからず行き詰っていましたが、NPO法人柏崎まちづくりネットあいさの皆さんのおかげで企画や集客が進み、参加希望者が少しずつ増えていきました。集落の人たちからも野菜やお茶うけをたくさん頂いて、参加者の方々に門出を満喫してもらえるような、とても賑やかなイベントとなりました。
 活動を続けていく中でたくさんの人たちと出会い、つながりを持てたことは、他では決して経験できないとても濃い3年間だったのではないかと思います。私自身の大きな成長となり、お世話になった皆さんには本当に感謝しています。

NPO法人柏崎まちづくりネットあいさへのリンク

パイプ役として次の人に返したい

 門出・田代集落に来た後、インターン生もだんだん来るようになって、集落で悩んだり挑戦している姿を見かけるようになりました。その姿を見て、私がここでたくさんの人たちにしてもらったことを次の人たちに返したいと思うようになりました。
 辛かった時は集落を出たいと思ったこともありましたが、「門出に残りたい」という想いがあり、大好きな人たちがいるこの集落に任期後も携わり、集落とのパイプ役として、次に来る隊員やインターン生たちが活動しやすくなったらいいなと思っています。私自身も悩み、葛藤を感じていた中で、たくさんの人たちに助けられてきたからこそパイプ役の重要性を感じています。

隊員から和紙職人へ

 任期終了後は、長岡市小国町の小国和紙生産組合で見習いをさせてもらっています。小国和紙さんとは隊員の時のご縁なので、隊員になっていなかったらこの仕事に就けなかったかもしれません。将来的には一人前に紙漉きができるようになって、自分のラベルも作ってみたいです。
 また、お休みしている集落ヨガやかやぶきヨガも再開したいと思っていて、和紙職人見習いの仕事と門出・田代集落とのつながりを両立してきたいです。プライベートでは家族との時間をゆっくり取れるようになったので、共に過ごす時間を大切にしていきたいです。

 今帰ってこようか迷っている方へ。帰ってきたばかりの頃は、馴染めなくて閉じこもりがちになってしまうけれど、少しずつつながりができ始めると、そこから新しいつながりも生み出されていきます。自分の想いを大切にしながら日々を重ねていけば、きっと実を結ぶときが来ると思うので、いろんなところに行き、いろんな人に出会ってみてほしいと思います。最近では柏崎市内で「スーパームーンヨガ」というイベントを開催しました。このイベントは任意団体主催の「35ちゃんぷる※」というイベントで出会った方と一緒に企画しました。こういった若い人たちが集まるイベントは、新しい出会いや自分の企画をアピールできる場です。是非こういった場に積極的に足を運んでみてください!
※任意団体35ちゃんぷるが主催するイベント。柏崎地域の様々な業種で働く35歳以下の若者が、ごちゃまぜ(ちゃんぷる)に集う交流会。https://www.facebook.com/35chanploo

小国和紙生産組合へのリンク

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