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新しい働き方 第10回

急展開 ~島を去るという決断~

2012.02.08 掲載

vol3

西畑 良俊さん

vol3

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 まさかの決断を下しました。3月いっぱいで、粟島を離れることになりました。
 1月半ばまでは、そんなこと、露ほども考えていませんでした。
 今後の展望や、「幸せ」について、改めて思いを巡らしていて、「粟島に残って、得られる幸せと得られない幸せがある」、「家族の幸せのためには、粟島を離れなければならない」という結論に至りました。

決断に至る経緯

 今まで、常に、「目的~何のために~」を強く意識して、活動してきました。「粟島の暮らしを、笑顔と共に100年後も持続させていく」という想いの下、日々、生きてきました。それは、「日本をよりよい社会にするため、世界を今よりももっと平和にするため」でした。
 一方で、「自分の家族を幸せにできない人間に、世界も日本も幸せにできない」という想いもありました。
 これまでは、「粟島の暮らしを持続させていくことが、自分の幸せ、家族の幸せにつながっている」と思っていました。しかし、状況が変わってしまったと感じています。移り行く状況の中で、「自分にとって、家族にとって、最もいい選択」を考えた際に、「事業を中断し、実家の近くで暮らす」ことを選んでいる自分がいました。

将来の展望

 本来であれば、今回は、「粟島の持続可能な島づくりの展望」を書くところです。しかし、それは叶わぬものとなりました。でも、西畑の中の「想い」は変わりません。それは、「せっかく生きているんだから、自分が生きた分、世の中が少しでもよりよくなって欲しい。何ができるを考えて、「自分」に、「今」できることを一生懸命やっていこう」というものです。
 今後、何をやっていくのかもまだ、未定です。でも、大事なのは、この、自分の中にある「想い」に忠実に生きていくこと。それだけは忘れずに、日々を大切に生きていこうと思っています。
 (別に、「想いをカタチにすること」を本業にしなくてもいいとも思います。「世の中をよりよくするために、できることは山ほどある」と思っていますので。たとえば、「笑顔で1日過ごす」ことや、「明るい言葉をかける」ことだって、周りに与える影響を考えたら、「世の中をよりよくする」ことにつながっていると考えています)

粟島(新潟)暮らしについて

 さて、突然のことで、まとまりのない文章になりそうですが、新潟暮らし、特に粟島での3年間についてまとめて、筆を置きたいと思います。
 「緑のふるさと協力隊」として派遣された粟島は、「予想通り」の田舎!
人とのつながりが強くて、自給自足でほとんど食べていけて、おすそ分けの物々交換の文化が残っています。家から一歩外に出たら、知り合いのいる安心感。道で人に会ったら、挨拶はもちろん、立ち話をすることも当たり前!魚はもちろん、野菜もおいしくて、低農薬の安心野菜をおすそ分けして頂いたり、おかずを頂いたり、本当に、島のみなさんにはよくして頂きました。島に来る直前、心を病んでいたことがウソのように元気に島中を走り回る日が続きました。島の方からの「ありがとう」がエネルギー源でした。持病だと思っていた鼻炎もほぼ完治しました。空気も、おいしいのが当たり前で、たまに埼玉の実家に帰った時に、「あ~、やっぱりこっちは空気がまずいなぁ」と思っていました。
 1年目の後半からは、粟島だけでなく、対岸の村上市や、新潟市内の方々、新潟県内の方々とのつながりが生まれていきました。「粟島から来ました!」と言うだけで興味を持ってくださる方々との出会い。「粟島に住んでいる」というだけで「がんばっている」と評価される不思議な環境に戸惑いながらも、「熱い想い」を持った方々とのご縁には、本当に感謝のしっぱなしでした。粟島が離島でなければ、もっともっといろんな会合に足繁く通い、いろんな学びをしたかった、もっと多くの方々とつながりたかったのが本音のところです。それくらい、本当に人とのご縁に恵まれた3年間でした。
 これというのも、新潟の気候風土が育んだ、新潟のみなさんの、人間性の賜物だと思っています。学校の社会科では、「過疎=人口が減って大変」、「限界集落=存続が危うい集落」というネガティブなイメージしか持てませんが、「過疎だからこそ!」「何とか守りたいからこそ!」、がんばっている方々と出会えたことは、一生の財産です。
 また、東京近郊のように、人があふれている場で、なかなか「やりたいことが見出せない」人でも、新潟に来て、「何かがやりたい!」といろんな方と出会うことで、何かが見出せるのではないかと、出会った方々の顔を思い浮かべながら、考えています。新潟県は、そういう可能性に満ち溢れた場所だと思っています。
 そんな新潟県をなぜ離れるのか、粟島をなぜ去るのか、自分でも不思議な気持ちになるところを抑えながら、3回の連載を終えたいと思います。
 お読みいただきありがとうございました。
 そして、3年間、本当にありがとうございました。

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